残雪期白峰三山その2
Wed, 07 May 2014 14:08:16 +0900今日は長大な稜線が待っている。
淡々と準備をし、午前3時30分に撤収を完了した。 フル装備を担いで樹林の急登にトレースを付けゆく。登山道は深い雪の下に埋もれていて、地図とコンパスを頼みにして暗闇を進んでゆく。闇の樹林で赤テープを探すとき、ヘッドランプの照射距離はそりゃ長いほうがいい。
けれど途中から赤テープがなくなり、コンパスと地形読みで確実に標高を上げてゆく。
アイゼンの歯は気持ちよく刺さる。ギリギリと音を立てて、一歩一歩。
南アルプス特有の、高くに位置する森林限界をやっと抜ける。
ご来光に背中を暖められ、稜線に立ったのは5:30。
大門沢下降点にて鐘を鳴らし手を合わせる。
農鳥岳への登りは、スケール感を失うほどの迫力。
そして農鳥岳から西農鳥へは悪いトラバースが何か所もあり、ショートロープで確保されたいと架空のビレイヤーを求めた。肝を冷やしながら手足に全神経を集中させる。
落ちられない、絶対に落ちたくない。でも冷静に。ピックを刺して、アグレッシブテスト。足を踏みかえて一歩前進。その繰り返し。
西農鳥岳を通過し、農鳥小屋への下降へ。
雪に埋もれた農鳥小屋通過。
間ノ岳へ。
最近昇格して日本第三位タイにおどり出た間ノ岳は、最終氷期には日本最高峰であったとの学説もあり。
北岳山荘への途中に通過する小ピーク中白根山。緩んだ雪によりトラバースは相当ここも悪かった。
山荘のテント場。 予約せずも今日は貸切。
日没。
あざやかな彩雲は荒天のきざし。
夜半、吹き付ける強風にきしむテント。思いっきりぶっ叩かれたような音に目を覚ます。
明日はどうなることやら。