残雪期北岳登頂編
Mon, 06 May 2013 21:52:43 0900朝目覚めると、目の前には巨大過ぎるバットレスが。まさに圧巻。
朝は-10℃くらいまで冷え込み、雪も5cmほど積もった。
朝焼けに染まるほんの一瞬。言葉を失うほどの景色。
そして間ノ岳。
念のために持ってきていたロープを出して、5~6mの懸垂下降により八本歯を通過。
頂上まであと標高差200m。いざ。
吊尾根分岐までのトラバース、雪質によっては悪そう。そして頂上へ。
山頂付近、今朝の新雪の上にツキノワグマのトレースが。
なぜここまで登ってきたのだろう。食料など山頂付近には無いと分かっているはずだし、もしかすると眼下を見渡すためか。さすがに北岳頂上からの風景ともなると、野生生物にとっても素晴らしいのかもしれない。純粋で透き通るようなモチベーションがそこには感じられ、はっとさせられるような一瞬だった。
あれ?下山のトレースは?
ピッケルを握る力、120%に(汗)・・・。
クマは!?クマがいない!クマさんは縦走コースだろうか。
いろいろな意味で無事にテントに帰着。ただし、雪の上にペットボトルを横置きにしようもんなら下まで一気。くれぐれも慎重に撤収。
この風景に、何度足を止めて振り返っただろう。
思う存分稜線歩きをしたら、あとはひたすら下山。3193mから奈良田へ一気に2500mの標高差をひたすら下山。
あるき沢橋にて足を洗い、アイゼンを洗い、デポしておいたスニーカーを履き、山菜の目を光らせながら3時間の林道歩き。
あの鉄柵に始まり、この鉄柵で終わった。